お化粧をする前にコンタクトレンズを装着しているのに、
レンズがくもるという人。
ワンデーを使っているのに、
装着した瞬間からレンズがくもるという人。
その原因は、もしかしたら、
夜寝る前に使っている「ハンドクリーム」かもしれません。
お化粧がコンタクトレンズの脂汚れの原因になることは、
わりとよく知られているようです。
「レンズファースト」と言って、
お化粧する前に、
先にコンタクトレンズを装着するということが、
眼科医さんの間でも推奨されていたりします。
「レンズファースト」という言葉が
広まっているかどうかはおいておいて。
でも、それでも、
コンタクトレンズがくもってしまう人が、
少なからずいるようです。
その原因は、
夜寝る前に使っているハンドクリームかもしれません。
特に「ワセリン」です。
ワセリンは保湿性能も高いし、
価格も安いということで、
最近とても人気があります。
特に、
ユニリーバ社の「ヴァセリン（ワセリン）オリジナルピュアスキンジェリー」
を使っているという人は、
少なくないのではないでしょうか。
容器もなかなかシャレていますもんね。
そんなワセリン。
何から作られているか知っていますか？
ずばり、「石油」から作られているんです。
油をクリーム状にしたものと言っても、
いいかもしれません。
だからこそ、高い保湿力をもっているんですね。
ちなみに、ワセリンってなにも、
ユニリーバ社の製品にだけ使われているものではありません。
実は、数多くのハンドクリームにも、
配合成分のひとつとして使われていたりします。
例えば、「ニベアクリーム」とかにもワセリンは含まれています。
ハンドクリームで有名な、
「アトリックスハンドクリーム」にも含まれています。
高級ハンドクリームである、
ロクシタンの「シアハンドクリーム」にはワセリンは使われていませんが、
それでも「シア脂」「ヤシ油」「ヒマワリ種子油」などの油分は含まれています。
つまりは、ほとんどのハンドクリームには、「油」が使われています。
油って、普通の状態では水と混ざり合いません。
そんな油を落とすために、
石けんなどの「界面活性剤」が使われます。
界面活性剤を使うと、油と水が混じり合うようになって、
洗い流せるようになるんですね。
でも、ハンドクリームをつけた手の場合、
石けんを使ったとしても、
しっかりとゴシゴシとこすってあげないと、
なかなかすべてのハンドクリームの成分を、
落としきれないことが多いようなんです。
特に、ネイルをしている場合は、
指とネイルの間にハンドクリームが残ってしまうことも多いです。
その、落としきれなかったハンドクリームの成分が、
コンタクトレンズについてしまうことで、
コンタクトレンズを装着したら、
視界がくもってしまうということになるようです。
特に、シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズには
脂汚れがつきやすくなっています。
なので、もし、
ワセリンなどのハンドクリームを使っているという人は、
コンタクトレンズを装着する前に手を洗うときは、
特に、指先を重点的に洗うことをオススメします。
ワンデーコンタクトレンズを使っている人は、
手を洗うときに気をつければいいのですが、
2ウィークを使っていて、
「すでにレンズにハンドクリームの成分がついてしまった！」
という人もいるかと思います。
そんな人は、脂汚れを落とすための専用の洗浄液を使うといいかと思います。
脂汚れを落とす洗浄液はいくつかあるのですが、
その中でもオススメなのは「バイオクレンミクロン」という製品です。
ミクロンという名前がついているように、
ミクロンサイズの微粒子によって、
レンズを研磨するタイプの洗浄液です。
他には「ミラフロー」や「ジェルクリンW」などの、
アルコールを使って脂汚れを落とすタイプがあります。
コンタクトレンズの専門誌にて、
脂汚れを落とす性能を試す実験が行なわれたことがあります。
その実験データによると、
アルコールによって脂汚れを落とすタイプの「ミラフロー」よりも、
微粒子によって研磨するタイプの「バイオクレンミクロン」のほうが
脂汚れを落とせるという結果になりました。
とはいえ、「ミラフロー」も脂汚れを落とす洗浄液として
かなり好評を得てきた製品です。
ただ、残念ながら「ミラフロー」は
2017年11月23日今現在は製造されていません。
もし、アルコールタイプのものを使いたいという場合には、
ほぼ同じような成分で作られている「ジェルクリンW」を使うといいかと思います。