ワンデーアキュビューは日本で初めて発売された1日使い捨てのワンデーコンタクトレンズです。ワンデーアキュビューが発売されるまで、日本では毎日の洗浄が必要なハードかソフトコンタクトレンズしかありませんでした。
ワンデーアキュビューが発売されたのは1995年4月です。今となってはかなり昔の話になってしまいますね。1995年4月からずっと販売されつづけている歴史の長いワンデーコンタクトレンズです。
そんなワンデーアキュビューが2017年12月27日をもって製造終了となります。ワンデーアキュビューにはBC8.5とBC9.0の2つがあり、BC8.5の方は2012年12月ですでに製造終了となっています。今回はBC9.0の方の製造終了です。これですべてのワンデーアキュビューが製造終了となります。アキュビューのワンデーコンタクトレンズは、今では4つあります。ワンデーアキュビュー、ワンデーアキュビューモイスト、ワンデーアキュビュートゥルーアイ、ワンデーアキュビューオアシスの4つです。ワンデーアキュビューは20年以上も前の設計のコンタクトレンズですから、さすがにワンデーアキュビューオアシスのような最新のコンタクトレンズに比べると性能面で見劣りしてしまうのも事実です。また、ワンデーアキュビューとワンデーアキュビューモイストの違いは保存液の違いだけという事実もあります。そんな中、ワンデーアキュビューの製造終了が決まったのも不思議ではありません。最近ではワンデーアキュビューとワンデーアキュビューモイストの価格差もほとんどない状態なので、ユーザーとしても困ることはないかと思います。
ワンデーアキュビューはレンズの素材にHEMAが使われています。HEMAというのは昔から使い捨てのコンタクトレンズによく使われてきた素材です。最新のシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズに比べるとあまり酸素を通すことができません。
ワンデーアキュビューの酸素透過率は33.3DK/Lです。最近発売されるコンタクトレンズの多くは、酸素透過率が100DK/L以上になっていることが多いです。それを考えると、ワンデーアキュビューの33.3DK/Lというのは低いと感じてしまいますね。
シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズと比べると低いのですが、同じ素材を使ったコンタクトレンズ。つまりは昔ながらのHEMA素材を使ったコンタクトレンズと比べると、33.3DK/Lというのは決して低くはありません。むしろ、高いほうだとも言えます。他のHEMA素材のコンタクトレンズは酸素透過率が20DK/L台というのも多いです。
ワンデーアキュビューはレンズを装着したときのつけ心地はわりとソフトです。このソフトさが決め手でハードコンタクトレンズから乗り換えた人もいたのではないでしょうか。
ワンデーアキュビューの含水率は58%です。レンズ全体の58%が水分ということなので含水率はわりと高いほうなのではないでしょうか。含水率が高いと、それだけレンズも柔らかくなる傾向があります。レンズのつけ心地もソフトになります。
含水率が高いとレンズはソフトになるのですが、その代わりにデメリットもあります。それは、レンズが乾燥しやすくなるということ。含水率が高いレンズというのは極端に言えば、多くの水分を含むスポンジのようなものです。そのスポンジを空気に触れさせていると、水分も蒸発していきます。
あまり水分を含んでいないスポンジよりも、たくさん穴があって水分を含んでいるスポンジの方がより多くの水分が蒸発していきやすいです。なので、コンタクトレンズの場合、含水率の高さとレンズの乾燥のしやすさは比例しやすいんです。
ワンデーアキュビューはUVカット仕様になっています。ワンデーアキュビューに限らず、ジョンソン&ジョンソンのコンタクトレンズはすべてがUVカット仕様になっています。
UVカットとひとくちにいっても、どれくらい紫外線をカットするかの性能というものがあります。ワンデーアキュビューの場合、UV-Aは81%以上カットします。
UV-Bは97%以上カットします。UV-AとUV-Bという言葉がでてきましたが、どちらも紫外線には変わりありません。どう違うんでしょうか?
UV-AとUV-Bは波長の長さが違います。UV-Bの方がより波長が短いです。波長が短いというのはそれだけ貫通力が高いということ。体にあたったときのダメージも大きいんですね。ワンデーアキュビューはダメージが大きいUV-Bは97%以上カットします。
ワンデーアキュビューには度数-0.25がありません。身の回りで度数-0.25を使っている人ってみかけたことがありますか?ほとんどといっていいほどいないかと思います。
度数が-0.25というのはどれくらいの視力の人かというと、4メートル先のものに焦点が合う人のことをいいます。度数というのは「1」を焦点があう距離で割ったものなんです。1÷4=0.25ですね。4メートル先に焦点が合うってかなり視力がいいですよね。
度数-0.25が合う人というのはコンタクトレンズがなくても普段の生活には支障がない可能性がとても高いです。
ワンデーアキュビューはBCは9.0のみの展開になります。アキュビューは2つのBCを用意していることが多いのですが、ワンデーアキュビューは1つのみです。
ワンデーアキュビューも以前はBCを2つ用意していました。BC8.5もあったんですね。ですが、2012年の年末をもってBC8.5の製造は終了してしまいました。
ワンデーアキュビューには通常の1箱30枚パックの他に、90枚パックというものが用意されています。90枚パックといっても、1箱に90枚が入っているわけではなく、1箱30枚パックが3箱入っているだけですが。
ワンデーアキュビューを実際に使ってみました。その感想です。ワンデーアキュビューの箱はこんな感じの水色の爽やかなパッケージになっています。
で、箱をあけてみるとこんな感じです。
ワンデーアキュビューは長方形のカクカクしたブリスターパックですね。メーカーによっては丸みを帯びていたりしますが。ワンデーアキュビューに限らず、アキュビューシリーズってわりとレンズがペラペラっとした感じのものが多いのですが、ワンデーアキュビューはその中でもトップレベルのペラペラ度だと思います。ワンデーアキュビューモイストも似たようなものなのですが、保存液が多少ヌルっとした感じがして若干の厚みを感じるような気がします。それがレンズの潤いに貢献しているのだと思います。で、ワンデーアキュビューを装着してみた感想なのですが、「どうもレンズのエッジが目に引っかかることが多い気がする」のです。ワンデーアキュビューって1995年に発売開始されたコンタクトレンズで、もう約20年近く前の設計のレンズになります。最近のコンタクトレンズは優秀なものが多いですからなおさら気になってしまうかもしれませんね。レンズの乾燥度合いもやはり夕方とか夜になると気になってきます。なので、個人的にはワンデーアキュビューを使うならモイストの方か、ワンデーアキュビュートゥルーアイがオススメです。
コンタクトレンズのBCを徹底比較
使い捨てコンタクトレンズにはカーブの度合いを表すBC(ベースカーブ)という数字があります。レンズを乗り換えるときは今使っているものに近いものを選ぶのが無難です。すべての使い捨てコンタクトレンズのBCを比較してみました。
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