乱視用コンタクトレンズ、なぜ、目の中で回転しないのか?

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乱視って、直乱視とか倒乱視とか、角度をもっています。なので、乱視用コンタクトレンズも、目の中で一定の角度を保つ必要があるために、目の中でレンズが回転しないように作られています。でも、一体なぜ、乱視用のコンタクトレンズは目の中で回転しないのでしょうか?

「まばたき」のチカラを有効活用します。

乱視用のコンタクトレンズは、なぜ、目の中で回転しないのか。素朴な疑問です。

実は、乱視用コンタクトレンズは、目の中でレンズが回転しないように、「まばたき」のチカラを有効活用していたりします。まばたきによって眼球にかかるチカラのことを眼瞼圧(がんけんあつ)と呼んだりしますが、その眼瞼圧を有効利用するんですね。

まばたきって「上下」方向におこないます。決して「左右」の方向にはチカラが発生しないですよね。常に上下方向にチカラは動きます。その性質を利用して、レンズの回転を抑えています。

レンズデザインを「工夫」することによって、レンズの回転を抑えられる。

そのためには、レンズのデザインを工夫しないといけません。

普通の近視用のコンタクトレンズはきれいな球面状のカタチをしています。でも、それだと、まばたきをするたびにレンズがランダムに回転していってしまいます。近視用のレンズはそれでいいのですが、乱視用のレンズの場合は、それだと困ってしまいます。

そこで、乱視用のコンタクトレンズは、レンズのデザインをちょっと工夫しているんです。

レンズの上下を「薄く」するというデザイン。

レンズにどんな工夫をしているのかというと、レンズの上下の部分を「薄く」するということをしています。

イメージ的には、レンズの上、3〜4分の1ぐらいのところから、レンズの上のエッジに向けて、スパッとナイフでスライスしたような感じです。半円形のスライス片ができる感じです。レンズの下も、同じように3〜4分の1ぐらいのところからレンズの下のエッジに向けて、スライスしています。球面レンズの上下2箇所を薄くスライスしたような感じですね。

「ダブルスラブオフ」というレンズデザイン名がついていたりします。

まばたきを繰り返すとレンズの薄い部分が自然と「上下」を向きます。

そんな、上下が薄くスライスされたダブルスラブオフデザインの乱視用コンタクトレンズを装着すると、まばたきをするたびに、自然と薄い部分が上下にくるようになるんですね。

たとえ、装着したときには90度ずれていたとしても、まばたきを繰り返すたびに、だんだんとレンズの薄い部分が上下にくるように回転していきます。だって、レンズのフチが厚いところよりも、レンズのフチが薄いところのほうがまばたきをするときに抵抗が少ないですもんね。

そうやって、乱視用コンタクトレンズは、目の中で一定の角度を保てるようになっているんです。

回転抑止力を高めるためにレンズの下を「厚く」したデザインもあります。

ちなみに、乱視用コンタクトレンズにはレンズの上下とも薄くスライスしたデザインである「ダブルスラブオフ」の他にも、「プリズムバラスト」と呼ばれるレンズデザインもあります。

プリズムバラストのレンズデザインは、ダブルスラブオフがレンズを薄くする方向性の「マイナス」のデザインだとすると、レンズを厚くする方向性の「プラス」のデザインと言えます。

具体的には、レンズの下の部分を厚くします。具体的に言うと、レンズの下の部分が重くなるようにするんですね。「バラスト」という言葉には「重り」という意味があります。このプリズムバラストデザインの場合でも、まばたきを繰り返すことによって、レンズの角度を上下に一定に保つことができるんですね。むしろ、レンズの回転抑止力はダブルスラブオフよりも高いようです。

まとめ

というわけで、乱視用コンタクトレンズが、なぜ、目の中で回転しないのかについてお話しました。

「まばたき」と「レンズデザイン」の2つの要素によって、レンズが目の中で回転するのを抑えているんですね。ちなみに、乱視用コンタクトレンズの性能をみていると、「ダブルスラブオフ」と「プリズムバラスト」以外のレンズデザイン名をみかけることもあるかもしれませんが、基本的にはこの2つのデザインがベースになっています。

中には、両者の特徴をどちらも取り入れたレンズデザインもあったりします。

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