シリコーンハイドロゲルはどんな素材なのかというと、 水以上に酸素を通すことができる素材です。 水って元素記号でいうとH2Oです。Hが水素でOが酸素になっています。 つまりは水自体が酸素を含んでいるんです。 なんでこういう話をするのかというと、コンタクトレンズの歴史は酸素の歴史でもあるからです。 世界で初めて作られたコンタクトレンズはガラス製で、 酸素をまったく通さないものでした。 アドルフ・ガストン・オイゲン・フィックという眼科医が 自分でガラス製のコンタクトレンズを開発して自分で装着して試していたんです。 でも、ここでひとつ問題が。。 そう、酸素をまったく通さないので長時間コンタクトレンズを装着していられなかったんです。 そうして、コンタクトレンズは酸素を通す必要があるということに気づいたんですね。 目の角膜(黒目の部分)って血管が通っていないので空気から直接酸素を取り込んでいるんです。 で、酸素を多く通すことができる素材として水が使われ始めました。 コンタクトレンズの性能をみてみると含水率という指標があるかと思いますが、 つまりはどれぐらい酸素を通すことができるかという指標でもあったわけです。 でも、それもシリコーンハイドロゲルが開発されたことで状況は一変します。 なぜなら、シリコーンハイドロゲルは水以上に多くの酸素を通すことができるからです。
シリコーンハイドロゲルはどれぐらい酸素を通すことができるのかというと、 コンタクトレンズにもよるんですが、だいたい、裸眼を100%とすると 97%〜99%ぐらいの酸素を通すことができます。 シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズのCMとかを見ていると、 「裸眼並み」という表現を見かけることがありますが、 まさに裸眼並みなんです。 ちなみに従来のソフトコンタクトレンズの素材である「HEMA」素材だと、 80%前後ぐらいになります。 結構大きな差です。 長時間コンタクトレンズを装着すればするほどこの差が大きく感じられるようになります。 そういうこともあって、シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズは 目の健康にいいと言われています。
シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズは含水率が低いほど より多くの酸素を通す高性能なコンタクトレンズになります。 例えば、裸眼に対して99%と最も酸素透過率の高いエアオプティクスEXアクアの含水率は24%です。 それに対して、裸眼に対して97%のワンデーアキュビュートゥルーアイの含水率は 46%となっています。 水よりも多くの酸素を通すので含水率が低いほど より多くの酸素を通すことができるということですね。
シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズ一覧