酸素透過率は「何DK/L」以上あれば目の健康にいいと言えるのか?

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コンタクトレンズは酸素透過率が高いほうがいいとよく言われます。
このサイトでもよく言っています。

でも、具体的に酸素透過率って、
DK/L値がいくつ以上あれば目の健康にいいと言えるのでしょうか?

「87DK/L」以上であれば、ほぼ裸眼並みと言えるかも。

結論から言うと、
どうやら酸素透過率が「87DK/L」以上あれば、
ほぼ裸眼並みということが言えそうです。

この数字。

思っていたよりも高いですか?
それとも低いでしょうか?

私としては思っていた以上に低いかなという印象です。

というのも、
酸素透過率の高いコンタクトレンズは「175DK/L」とかあります。
エアオプティクスEXアクアですね。

それが、実際にはそこまで酸素透過率が高くなくても、
ほぼ裸眼並みと言うことができるということですから。

シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズであれば、
ほぼ、すべてがほぼ裸眼並みと言うことができるということです。

唯一、アキュビューアドバンスだけが「85.7DK/L」と足りていないですが、
ほぼ満たしていると考えてもいいかと思います。

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ほぼ裸眼並みかどうかは「角膜肥厚率」でわかる?

さきほどから「ほぼ裸眼並み」という言葉をだしていますが、
そもそも、「ほぼ裸眼並み」というのは一体どういうことなんでしょうか?

なんとなく良さそうなイメージだけど、
実際にはどういう意味で使われているのかということが
分かりにくい言葉のひとつです。

実は、ほぼ裸眼並みかどうかは
「角膜肥厚率」で測られることが多いようです。

角膜肥厚率だなんてあまり耳にしない人も多いかと思います。

どういう意味かというと、
その名の通り、
角膜が通常の状態に比べて、
どれくらい肥えて厚くなったのかを示すパーセンテージです。

角膜は一般的に厚みが約「0.5mm」だと言われていますが、
実は、角膜は酸素不足になってくると、
むくんできて角膜が肥えて厚くなってくるんです。

高含水率のハイドロゲル素材のコンタクトレンズを、
1週間夜寝ているあいだも連続装用したりして、
角膜の酸素不足状態が続いたりすると、
通常の状態よりも「10〜15%」も角膜が厚くなることもあるようです。

角膜は、寝ているときに約「2〜4%」ほど肥厚します。

ちなみに、裸眼の状態ならばまったく角膜肥厚はしないかというと、
実はそうではないんです。

目の角膜って空気中から直接酸素を取り込んでいます。

ということは、まぶたを閉じると、
角膜への酸素供給量は大きく減ってしまうんですね。
裸眼であってもです。

まぶたを開けているときの約3分の1の酸素供給量に減ってしまうと言われています。

つまりは、寝ているときは、
角膜は若干の酸素不足状態になっているということなんですね。

その影響で、角膜は寝ているときに肥厚します。

約「2〜4%」ほど肥厚するという実験データがでているようです。

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なぜ、コンタクトレンズは「酸素」を通すことが重要なのか?

酸素透過率が「87DK/L」以上あれば、角膜肥厚率を「4%」以内に抑えることができる。

つまりは、コンタクトレンズを装着していても、
角膜肥厚率が「4%」以内であれば、
ほぼ裸眼並みということが言えそうです。

実際に、それを実験したデータがあります。

いくつかの研究グループによって実験されているのですが、
角膜肥厚率を「4%」以内に抑えるために必要な酸素透過率は
「75DK/L以上」「83DK/L以上」「87DK/L以上」
というそれぞれのデータがでています。

ちょっとバラツキがありますね。

でも、いずれも「80DK/L」前後という結果になっています。

「87DK/L」以上というのは、
この3つのデータのうちもっとも高い酸素透過率からからとってきたものです。

ただし、裸眼とまったく「同じ」ではないので注意が必要です。

なので、なるべく目の健康にいいコンタクトレンズを使いたいという場合は、
酸素透過率が「87DK/L」以上のものを使うことをオススメします。

もちろん、酸素透過率は高いほどにいいのですが、
少なくとも「87DK/L」以上あれば、
酸素透過率が原因で大きく角膜肥厚してしまうということは避けられそうです。

でも、裸眼並みの角膜肥厚だからといって、
裸眼とまったく「同じ」というわけではありません。

例えば、酸素透過率が「175DK/L」のエアオプティクスEXアクアでも、
裸眼の状態に比べれば約「77%」ぐらいの酸素しか通すことができません。

酸素分圧という数字があるのですが、
裸眼のときは約「155mmhg」なのですが、
エアオプティクスEXアクアを装着していると、
約「120mmhg」にまで落ちるようです。

酸素分圧というのは気圧と大きく関係しています。

例えば、富士山などの標高の高いところに行くと気圧が下がりますよね。

簡単に言うと、コンタクトレンズを装着していると、
目の角膜だけが標高の高いところに行っているような状態になるわけです。

酸素透過率が「87DK/L」以上であれば、
だいたい酸素分圧は「100mmhg」以上にはなるようなのですが、

いずれにしても、
富士山の中腹から山頂のあたりのどこかに、
目の角膜だけが行っているような感じになりそうです。

富士山に登山することが目の角膜に良くないとは聞いたことがないので、
そこまで気にする必要はないと思いますが、
(緑内障の人は気にした方がいいようですが)
少なくとも裸眼と「同じ」状態ではないということは覚えておいたほうがよいかもしれません。

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参考サイト

http://www.hamano-eye-clinic.com/chishiki/chishiki12.html

参考図書

・日本コンタクトレンズ学会誌 2017 (1) 7-10
・日本コンタクトレンズ学会誌 2009 (1) 13-16

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