「調節リード」によって眼軸長は短くなって視力回復する?

タイプ別に探す

メーカー別に探す

通販ショップを探す

記事を探す

トップ記事一覧「調節リード」によって眼軸長は短くなって視力回復する?

「調節ラグ」によって眼球が伸びるのであれば、「調節リード」によって眼球は短くなるのでは?とも考えられますよね。実際のところ、調節リードによって眼球は短くなるのでしょうか?そして、視力回復することはできるのでしょうか?

調節ラグについての記事

「調節ラグ」が視力低下する原因かもしれないという話

ヒヨコによる実験では「短く」なるようです。

調節リードによって眼球は短くなるのかどうか?

その実験として、よくヒヨコが使われます。ヒヨコを使った実験によると、調節リードによって眼球は短くなるようです。ヒヨコの眼に強制的に凸レンズを装着するんです。そうすると、ピントは常に網膜よりも手前にあうことになります。つまりは常に調節リードが発生している状態ですね。そうすると、眼球が短くなるんですね。

視力低下する原因が調節ラグによる眼球の伸びだとすれば、調節リードによって眼球を短くすることができるなら、視力回復することができるということです。

参考文献

・医学のあゆみ2013 6/8
「実験近視研究の最新の知見(1)」

「人間」の場合はどうか?

ヒヨコでは調節リードによって眼球は短くなったのですが、人間の場合はどうでしょうか?

結論からいうと、はっきりとは分かっていないようです。というのも、人間の場合はそんなに簡単に実験をすることができないですもんね。凸レンズを装着して、常に調節リードが発生している状態では、日常生活に支障がでてしまいます。1日の中で数時間だけ凸レンズを装着するにしても、そのほかの時間をどう過ごすのかによって実験結果は大きく変わってきてしまいます。

そんなわけで、人間の場合は、調節リードによって眼球が短くなるのかどうかは、ハッキリとはよくわかっていないようです。

「裸眼」で生活しても視力回復しないのはなぜ?

ちなみに、調節リードが眼軸を短くするのだとすれば、なぜ、裸眼ですごしている人は視力回復しないのでしょうか?

近視の人が裸眼ですごしていると、ピントは網膜の手前にあうことが多くなります。調節リードが発生することが多くなるということですね。でも、裸眼で毎日すごしていても視力回復しないという人は多いのではないでしょうか。私も、近所にしか出かけない日は裸眼ですごしてみたりもするのですが、視力回復はなかなかしません。

調節リードが発生している時間が短いんでしょうか?1日の大半を遠くをみることが多い状態ですごしていれば、もしかしたら、眼球は短くなってくるのかもしれません。

短くはならないけど伸びるのを「防ぐ」ことはできる?

そんなわけで、調節リードが眼球を短くするということは、人間の場合はハッキリとは言えないのですが、眼球がそれ以上伸びるのを防ぐ働きはあるのかもしれません。というのも、調節リードが発生している状態というのは、毛様体筋と水晶体によるピントの調節力を使っていない状態だからです。目に負担がかかっていないので、少なくとも眼球を伸ばす原因でもある調節ラグが発生するのを抑えることはできます。

「多焦点コンタクトレンズ」は眼球の伸びを防ぐことができる?

最近は子どもの近視化が世界的に問題視されています。そこで、近視化を防ぐための研究が各国で行われているのですが、その中のひとつに「多焦点コンタクトレンズ」をつかった近視化の予防というものがあります。

多焦点コンタクトレンズというのは、その名の通り、目の中に複数の焦点が発生するように作られたコンタクトレンズです。老眼のための遠近両用コンタクトレンズも多焦点コンタクトレンズですね。「老眼のためのコンタクトレンズを子どもに使うの!?」って思うかもしれませんが、子どもの近視化を防ぐ効果が確認されているようです。そして、その要因となっているのが「調節リード」かもしれないんです。

目の中に2つの焦点があるということは、網膜の手前にもうひとつの焦点があるということでもあります。つまりは調節リードですね。それが、子どもの眼球が伸びるのを防いでいるのではと考えられているようです。

ちなみに、ちょっと細かいですが、子どもの近視化を予防するための多焦点コンタクトレンズは、老眼のための遠近両用コンタクトレンズとはちょっとだけ違います。なにが違うのかというと、レンズの中央部が遠くを見るようなのか、近くを見るようなのかが違うんです。子ども向けのレンズは中央部が遠くを見るように作られています。それに対して、老眼用のレンズは中央部が近くを見るように作られているものが多いです。

研究によると、中央部が遠くを見るように作られたレンズのほうが、眼球の伸びを抑制する働きが強いようです。

まとめ

そんなわけで、調節リードには眼球を短くする働きがあるのかどうかというお話をしました。

もしかしたら、ストイックに毎日長時間、外で遠くを眺めていれば眼球は短くなって視力回復するかもしれませんが、今の現代社会では近くのものを見ないわけにはいきません。なので、調節リードは、少なくとも眼球が今以上に伸びるのを防いでくれる程度に考えておくのがいいかもしれません。

オススメ記事

「調節ラグ」が視力低下する原因かもしれないという話
コンタクトレンズは度数をちょっと弱めにしたほうがいい?
視力低下はどうして起こるのか?その原因について。
視力の悪さって親から子に遺伝するのでしょうか?
遠近両用コンタクトレンズが視力低下を抑えるかもしれない話

トップ記事一覧「調節リード」によって眼軸長は短くなって視力回復する?