コンタクトレンズは度数をちょっと弱めにしたほうがいい?

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コンタクトレンズの度数って視力がどれくらいになるようにして決めていますか?遠くのものもクッキリとみたいので、度数を高めにしているという人、はたまた、クッキリと見えすぎると疲れるので、度数は低めにしているという人、どちらもいると思います。どっちがいいんでしょうか?

デスクワークが多い人は、度数を「弱め」にしたほうがいいかも。

コンタクトレンズの度数。デスクワークをする時間が長いという人は「低め」にしたほうがいいかもしれません。

近視の人がコンタクトレンズをする場合、だいたい、視力「1.0」から「1.5」の間で矯正されることが多いかと思います。視力が「1.5」だとかなり遠くまでクッキリみえたりするので、感動して、ずっとそのままの度数を使い続けるという人もすくなくないのではないでしょうか。私も、初めてコンタクトレンズを装着したときは、視力が「1.5」になるように矯正されたように思います。

視力が良いと、遠くをみる場合はとても良いのですが、その反面、近くをみるときに、目が疲れる傾向があります。というのも、近くに焦点をあわせるためには、眼の水晶体を厚くしなければいけないからです。水晶体の厚みを調節する働きがある「毛様体筋」に大きな負担がかかります。デスクワークに集中しているときなんて数時間も近くをみつづけることになります。それは目も疲れますよね。

なので、デスクワークが多いという人は、コンタクトレンズの度数は「弱め」にしたほうがいいかもしれません。視力「1.0」とか「0.7」とかですね。

「調節ラグ」が起こるのを抑えることができます。

コンタクトレンズの度数を低めにすることで、目の疲れを抑えることができるのはもちろんなのですが、度数を低めにするメリットはそれだけではないんです。

「調節ラグ」が起こるのを抑えることができます。調節ラグとはどんなものなのかというと、簡単に言うと、ピントの微妙な「ズレ」のことを言います。近くのものを見続けていると、毛様体筋に負担がかかります。そうして、毛様体筋が疲労してくると、常に一定の力をだすのが難しくなり、微妙に網膜へのピントがズレるようになります。自覚症状がなかったとしても、発生していたりするそうです。

そんな、調節ラグ。視力が低下する原因のひとつだと考えられています。調節ラグによって微妙なピントのズレが起こると、眼球自体がそのズレに合わせて伸びるのではないかと言われているんです。実際に、ヒヨコなどを使った実験では、強制的にピントを網膜の奥側へと合わせると、眼球が伸びていくことが確認されているようです。眼球が伸びると、近くのものは見やすくなりますが、遠くのものは見にくくなります。つまりは視力低下ですね。

コンタクトレンズの度数をちょっと弱めにすると、視力を、それ以上低下させるのを防ぐことができるかもしれないということですね。

参考文献

眼科2017(9)
「近視の進行をコントロールする:近視の進行メカニズム」
「近視の進行をコントロールする:眼鏡、コンタクトレンズによる介入」

車の運転だって視力「0.7」以上あればできます。

今の日本では、視力がそれほど良くなくても、困るということはあまりないのではないでしょうか。

例えば、視力が必要とされることのひとつに、車の運転があります。でも、車を運転するのに必要な視力って「0.7」以上です。それほど良い視力とは言えませんよね。確かに視力「0.7」だと、遠くの標識とかが確認しにくことがありますが、車の運転そのものに支障があることはほとんどないのではないでしょうか。だからこそ、運転免許証の取得条件は視力「0.7」以上になっているのだと思います。

なぜ、「遠近両用コンタクトレンズ」は近くのものが見えやすくなるのか?

ちなみに、ちょっと話が変わりますが、「遠近両用コンタクトレンズ」というものがあります。老眼の人向けのコンタクトレンズです。老眼になると、近くのものが見えにくくなってきます。でも、遠近両用コンタクトレンズを装着すると、遠くのものも、近くのものも見えやすくなります。なんでだと思いますか?

それは、遠近両用コンタクトレンズには「加入度数」というものがはいっているからです。加入度数というのは、プラスの度数を入れるということです。例えば、加入度数「+2.00D」で、度数が「-3.00D」の遠近両用コンタクトレンズは、1枚のレンズの中に「-3.00D」の部分と-3.00Dに+2.00Dをした「-1.00D」の部分が混在しているということなんですね。近くのものを見るときには、度数が低いほうの「-1.00D」の部分を使います。そうすると、毛様体筋や水晶体に負担をかけることなく、近くをみれるようになるんですね。

つまりは、度数が低くなると近くがみやすくなるということです。このことからも、デスクワークが多い人は、コンタクトレンズの度数は弱めにしたほうがいいとも言えると思います。

「メガネ」の場合はちょっと注意が必要です。

ただ、「メガネ」の場合はちょっと注意が必要です。

メガネの場合も、近くをみることが多い人は、度数を低めにしたほうがいいのではないかと言われてきました。実際に、度数を弱めにした低矯正メガネを処方する眼科やメガネ店もすくなくないのではないかと思います。でも、今では、メガネの場合は低矯正よりも完全矯正したほうが、その後に視力低下することが若干少ないというデータがでているようです。

なぜ、そうなるのかはよく分かっていないようなのですが、メガネで度数を弱めにしようという人は気をつけたほうがいいかもしれません。

参考文献

眼科グラフィック2016(2)
「こどもの近視進行予防:眼鏡による予防」

まとめ

というわけで、コンタクトレンズの度数は弱めにしたほうがいいのかどうか?というお話をしました。デスクワークが多いという人は、度数はちょっと弱めにしたほうがいいかもしれません。近くのものをみる機会が多い眼科医さんでも、あえて、裸眼視力の0.6〜0.7のまま、メガネやコンタクトレンズによる視力矯正はおこなわないという人もいるようです。そのほうが目に負担が少ないからですね。

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